風邪を引いて、熱はないのだが咳が止まらないという人は結構多いようです。咳が止まらない原因とはいったいなんなのでしょうか。場合によっては、風邪を引いてもいないのに咳が止まらない場合などにはとある喘息を発症している可能性もあるそうです。
そして痰が長い期間出たり、頭痛が続いたりする原因とはいったいなんなのでしょうか。今日は熱はないがなかなか咳が止まらないことや、長引く痰や頭痛が続く場合の原因と対策などにフォーカスしてみたいと思います。
それでは早速いってみましょう!
熱はないのに咳がなかなか止まらない原因に喘息の可能性がある?
風邪を引いて熱を出したが、その後にしっかり熱は下がった、しかし咳がなかなか止まらないという場合があります。特に風邪の場合は、治りかけの時に咳が増える場合があります。
筆者も風邪を引いて熱を出したような場合に、解熱後からやたらと咳が出て止まらないような日が続くことがあります。通常数日から10日程度で咳が収まってくれば問題ないのですが、人によっては数週間経っても咳がおさまらないという人もいます。
熱は出ていないのに、咳が止まらない風邪の場合、どんな原因が考えれれるのでしょうか。その場合には以下の可能性が考えられます。
風邪を引いていないのに咳が止まらない場合
もしあなたが風邪を引いているわけではないのに、咳を頻繁にしている場合は咳喘息の可能性があります。
咳喘息(せきぜんそく)
咳喘息は一般的な喘息とは違います。わかりやすくいうと喘息の前段階のようなものです。アレルギー性の場合が非常に多く、一般的な喘息などにみられる喘鳴(ゼイゼイ、ヒューヒュー)という音もない咳をする人です。
今までに一般的な喘息に罹ったことがなく、普通の咳が8週間以上持続している場合は喘息息の可能性が高いです。ですので、風邪を引いて数日咳が止まらないという症状の人は喘息息にはその段階では関係がありませんので安心してください。
喘息息に関しては次の基準が診断の基準となります。
- 喘鳴の無い咳が8週間持続する
- 喘息経験無し
- 8週間以内に風邪に罹っていない
- 気管支拡張薬がよく効く場合
- 肺のレントゲンで異常なし
- 咳を異常にしやすい状態ではない
- 気道過敏症(アレルギーで気道が狭くなるような症状)ではない
こういった基準に該当しないかぎり咳喘息ではありません。
肺の病気
風邪を引いていないのに咳が多い場合は肺の病気の可能性があります。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
- 気管支炎
特に喫煙者には上記の病気の可能性のリスクが高まりますので注意が必要です。喫煙者で風邪を引いていないのに、咳が多い場合は禁煙をしばらく続けて確認することをお薦めします。
後鼻漏(こうびろう)症候群
風邪を引いていない、熱もないというのにやたらと咳が止まらないという場合には後鼻漏の可能性があります。後鼻漏とは読んで字のごとく、鼻水が前から出るのではなく、喉を通っていくことをいいます。
鼻水や粘液がそのまま喉を流れていき、肺に入り始めることで咳がでます。通常、飲み込んだものは喉をとおり、食道へ行き、胃の中にいきます。しかし鼻水や粘液などは粘り気がありさらっとしていません。
そのために肺に入りやすいので、それを防ぐために反射的に咳払いが頻繁にでることがあります。普段、鼻水が殆どでないという方は後鼻漏の可能性があります。後鼻漏は耳鼻咽喉科で調べることができますが、後鼻漏に精通した医者でないと対応出来ない場合が多いです。
事前に電話で医療機関に治療ができるか確認しておくことをお薦めします。病気ではありませんが、体質とでもいうのでしょうか。慢性的に副鼻腔に炎症がある場合に後鼻漏になっている可能性が示唆されています。
逆流性食道炎
逆流性食道炎でも咳が出ることがあります。胃酸が胃から上へ上っていき、肺に入ってしまうことで咳がでます。普段から胸焼けが多い人は注意が必要です。
逆流した胃酸が寝ている間に肺に入ってしまうこともあります。胃酸過多や逆流性食道炎の患者の場合は、食後に咳が出ることもよくります。
食後に咳をすることが多いひとは逆流性食道炎の可能性があるので一度、医療機関を受診することをお薦めします。
風邪を引いていて咳が止まらない場合
あなたがもし風邪を引いている最中で咳が止まらない場合は、咳の続く期間からある程度判断ができます。
もし咳の続く期間が10日以内であれば、風邪の影響かとおもわれます。夜も寝られないほど咳が出る場合は、医者の判断を仰ぎ必要に応じて咳止めのお薬を処方してもらうことができます。
そこに発熱が加わったり、倦怠感などがあると肺炎の可能性も考えられるため一度病院で検査を受けることをお薦めします。
もし咳が止まらに期間が10日以上あるとなると、気管支炎、気管支喘息、細気管支炎、胸膜炎など肺の病気などに罹っている可能性があります。
3週間以上咳がおさまらないとなると、咳喘息や先述の後鼻漏症候群、肺がん、肺結核、COPDなどの肺の病気や別の原因が考えれます。いずれにせよ、咳が長く続く場合は、素人判断はせず病院で検査を受けることが必要です。
風邪の治りかけの段階でも結構咳が出ることがよくりあります。熱もなく明らかに体は軽くなっているのに、咳だけがやたらと出る場合が風邪ではよくあります。咳の期間が3日程度で前より軽くなってきている場合は、それほど心配はありません。
しかしそれ以上の期間が経っても改善傾向がなかったり、夜も寝られないほどの咳が止まらない場合は必ず医療機関を受診してください。
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長引く痰や頭痛の原因と対策とは?
風邪でもないのに長引く痰がある場合には、どんな原因が考えられるのでしょうか。風邪を引いた後で痰が出る期間がある程度長くなることは、仕方がありません。熱もなく、体も比較的軽快、咳もあまりない場合はそれほど問題はないでしょう。
ただ痰がやたらと多く出るとなると別の病気が隠れている場合があります。特に緑色の痰が多く出る場合は肺の病気の可能性もあります。詳細はこちらを御覧ください。
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では頭痛が続く場合はどうでしょうか。
風邪などを引いて頭痛が続く場合は、血管が拡張している影響があります。熱が出て血管が拡張すると頭がガンガン脈打つように痛くなる場合があります。あなたがもし病院で診察を受けていれば風邪薬で頭痛には対応できると思います。
また、頭や首の血管あたりを保冷剤などで冷やすと頭痛が和らぐこともあります。
病院へ行かれてない場合は、市販薬で風邪と頭痛に対応したお薬で通常は対応できます。なるべくお薬は飲みたくないという人もいるかとおもいますが、普段頭痛薬を飲まない人であれば、風邪で頭痛がある時は、風邪薬を飲んで快適さを確保したほうが良いと思います。
頭痛はストレスに繋がりますし、苦痛の影響で安眠を阻害し回復を遅らせることにも繋がります。風邪の頭痛の場合はそれほど長い期間は続くことはなく、通常2~3日程度で治まるので、その期間はお薬でできるだけ苦痛は取り除いたほうがよいでしょう。
風邪でもないのに、あるいは風邪がかなり回復してきているのに、頭痛が続く場合は脳の病気の可能性があるので、速やかに医療機関を受診してください。
まとめ
- 熱はないが咳が止まらない場合は咳喘息の可能性がある。
- 風邪では咳が止まらないことが数日程度なら比較的よくある。
- 夜も寝られないほどの咳なら医者の判断を仰ぎ咳止めの薬を使う。
- 咳や痰が長引く場合は、別の病気の可能性もありうる。
- 頭痛は熱がないのに続く場合は別の病気の可能性がある。
風邪であれば咳や痰が止まらないことは比較的よくあります。ただ生活に影響するようなほどであれば、必ず医者の判断を仰いで下さい。素人判断は禁物です。咳が数日でおさまらない場合は肺炎や気管支炎も考えれます。
頭痛に関しては、風邪であれば数日のことなので、風邪薬を使って積極的に痛みを緩和し苦痛を減らすことをお薦めします。辛い症状はできるだけ抑えたほうが眠れますしね。
咳や痰が何日も止まらないで苦しい場合は、面倒でも一度は病院へ行ってください。風邪の治りかけで咳や痰がやたらとでることがよくありますが、咳がやたらと続くのが3日経っても症状が軽減しない場合は念のため病院へ行きましょう。
喫煙者の方の場合は数週間咳がおさまらないという人もいます。禁煙は風邪対策には必須となります。普段から禁煙をするよう心がけましょう!
参考:上六ツ川内科クリニック