熱はないのに、なかなか咳や喉の痛みが治らない。あなたもそんなご経験がありませんか?咳や喉の痛みが長引いていて、それでいて熱はないという場合、いったい体はどのような状態なのでしょうか。
そして痰が沢山でたり、痰が緑の塊で出る状態の人もいます。この緑の塊の痰が出る状況というものも回復期としてどのような段階にあるのでしょうか。今日は風邪を引いた場合におこるこれらの症状の原因と対策などにフォーカスしてみたいと思います。
それでは早速いってみましょう!
咳と喉の痛みがある!しかし熱はない場合はどんな状況?
誰でも風邪は引きます。しかし風邪にもいろいろな症状やパターンがあります。中でも厄介なのは咳や喉の痛みです。熱はない、あるいは熱は出たがすぐに下がったのに、なかなか咳や喉の痛みが治らない、そんな方も多いと思います。
インフルエンザの場合は、喉の痛みなども比較的少なく、高熱で苦しい思いはしますが、大抵の場合は数日から7日程度で回復します。風邪は高熱が出ることもありますし、咳や喉の痛みがやたらと長引くケースも珍しくないので厄介です。
長い人だと、熱は下がっても咳が1ヶ月続いたり、喉の痛みが2週間続くなんて人もいます。熱はない状況で咳と喉の痛みが続く状況の原因とは何なのでしょうか?ここでは風邪を引いた場合に起こりうる咳、喉の痛みの原因からチェックしていみましょう。
熱があり咳と喉が痛い場合
- 風邪の真っ最中
発熱があり、咳と喉が痛い場合、それは風邪としてはまだ初期段階から中期の段階へ移行し始めている状況の可能性が高いです。発熱は体の免疫細胞達が活発に活動している証拠でもあります。
風邪の原因となるウィルスを免疫細胞たちが積極的に抑えこもうと頑張っている最中です。
熱はないが咳と喉の痛みが続いている
- 風邪からの回復が始まっている
熱はないけれど、咳と喉の痛みが続いている場合は、風邪の回復期としては中期から後半の段階になっている可能性が高いです。免疫細胞たちの働きによって、ウィルスの拡大を抑えることに成功している状況です。
適切な抗体ができるまでに数日かかり、解熱後になってから咳や喉の痛みが出てくることがよくあります。この時期は風邪の回復途中でも結構辛い症状に耐えなければいけない時期です。
あまりに咳が出て睡眠などに支障が出る場合は、病院で診察を受けて咳止めなどを処方してもらうことが望ましいです。喉の痛みに関しても病院で処方される風邪薬が痛みの緩和に効果的です。
喉の痛みが出る原因は風邪のウィルスや菌と戦うために、粘膜に血液や免疫細胞たちが多く集められ炎症(ウイルスや菌との戦い)がおこります。そのために痛みが続いたりします。
咳が止まらない状態で緑色の痰が4日も5日も出続けてくるようなら、気管支の炎症が進んでいる可能性もあるので念のため一度医療機関を受診してください。
私の経験では熱が下がってから数日経って咳が出始め、10日ほど続いたこともあります。もともと疲れが貯まり、かなり弱った状態で風邪をひくと、思いのほか治るまでに時間がかかることもあります。
知人の喫煙者の場合、咳が収束するまでに1ヶ月かかったという事例もありました。喫煙との因果関係はわかりませんが、咳は人によっては長引くことがあります。
喉の痛みで稀に起きる注意点
風邪の影響で喉が痛いと思っていたら、実は処方された「抗生物質」が原因となっている場合があります。通常ただの風邪で抗生物質は処方されませんが、細菌感染の予防的措置のため抗生剤を処方される場合があります。
筆者も経験がありますが、抗生物質が体質にあわずに喉に痛みが走ったり、鼻血や口内の荒れを引き起こしたことがあります。
喉の痛みだけだと、風邪なのか抗生剤が原因なのか判断は難しいのですが、喉の痛みにプラスして、何等かの出血や発疹、むくみ、等々お薬の説明書に書かれている副作用の症状が2つ以上出ている場合は、抗生物質が原因で副作用が出ている可能性があります。
その場合は説明書の注意書きにそって行動してください。筆者の場合は、喉に激痛が出る副作用が起きた経験があります。意外に抗生物質が体質に合わないことは時折あるので注意が必要です。
咳がひどく喉が痛い場合の対策
喉の痛みに関しては病院で処方される風邪薬で凌ぐことが手っ取り早い対策です。咳がひどい場合は肺の病気や治りかけの場合に、肺に溜まった痰を出すために頻繁に起こる場合もあります。
いずれも素人判断はさけて、一度医療機関を受診しておいた方が無難です。熱がなく食欲もあるようでしたらそれほど心配はいらないでしょう。
ただ喉が痛く咳も多い、そして何となく息苦しいなどという場合は耳鼻咽喉科などで蒸気の吸入を行うと随分楽になる場合があります。特に乾燥した部屋で生活されている方は、喉の粘膜が荒れて乾燥しやすくなっています。
吸入はとても楽になるので一度耳鼻咽喉科を受診されてはいかがでしょうか。
家庭で加湿器をする場合の注意点
喉の乾燥対策に家庭で加湿器を使用するのも咳や喉の対策に有効です。加湿器は喉や気管支のケアには家庭でできるものとしては、手軽な療法となります。ただ加湿器を使用される場合は衛生面で注意が必要です。
特に加湿器で使う水は必ず「水道水」を使用してください。浄水を加湿器に使うと、菌が発生しやすくなり、体力のない子供や高齢者などは肺炎を起こしてしまうことがあります。
そして、定期的に加湿器自体の掃除も忘れないようにしましょう。どうしても水をつかう製品にはカビや菌が繁殖しやすくなります。加湿器の取り扱い説明書を参考にクエン酸などで除菌することが重要です。
風邪を引いたので良かれとおもって加湿器を使ったら、不衛生だったため症状が悪化したということがあっては本末転倒です。加湿器を使う場合はくれぐれも衛生面で注意してください。
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咳が出て痰が緑の塊の場合は回復のどの段階なのか?
咳が出ていて痰が緑の塊となって出て来る状況とはいったいどのような状況なのでしょうか。咳が続いている段階というのは風邪の回復途中もしくは、もうすぐ回復する手前の状況の可能性が高いです。
そこに緑の塊の痰が加わるとなると、同じように、まだ風邪の回復途中の真ん中かそれを超えたくらいと考えたほうがよいでしょう。緑の塊の痰が段々出なくなり、黄色の痰に変わり、やがては白っぽい痰に変わってくると治ってきています。
ですので、緑の痰の塊がでるうちはまだ回復途中です。痰の色が緑から黄色に変わっていき、なおかつ咳の頻度が下がってくるまでは安静が必要です。
熱はさがり、咳が出るが喉の痛みはない、あるいは咳がでるが喉の痛みもなく、痰も黄色になってきたという人はもうすぐゴール間近です。
緑の塊の痰とはいったい何なのか?
そもそも痰とは何か?痰は定義上は肺や気管支などの呼吸器で作られた粘液となります。主成分は糖蛋白と免疫グロブリン、水分となります。異常がない場合の痰の色は通常白色や黄色がかっています。
痰が白い場合は好酸球(白血球の一種)の色であり、それらの死骸といわれています。風邪などでウィルスの影響を受けた場合、痰は免疫細胞やウィルスや菌の死骸が大量に混じることから濃い黄色や緑色になることがあります。
緑色の痰は主に「緑膿菌」の影響が最も可能性が高いといわれています。緑色の痰の塊が出る場合は、緑膿菌などの影響から、主に気管支系の病気や感染症(風邪含む)になっている可能性が高いようです。(参考:http://www.skincare-univ.com/article/030815/)
風邪の状態が続いていると緑色の塊となって咳をした時に口から出る場合がよくあります。特に風邪の回復期に入り始めると咳が頻繁に出て、緑色の痰がの塊が肺や気管支に増えてきます。
それを体外へ出そうとして咳が出ることもよくあります。
風邪以外で緑色の痰が出るその他の病気
緑色の痰が出るといっても、風邪などを引いてない場合には、別の病気が考えられます。
気管支拡張症
気管支拡張症は気管支が拡張したまま戻らなくなる肺の病気の一種です。気管支拡張症になると次の症状が出ることが多くあります。
- 緑色の痰
- 咳
- 呼吸困難
- 高熱
- 倦怠感
- 体重の減少
気管支拡張症の場合、自覚症状が全く無い場合もあるようです。免疫力の低下が原因で緑膿菌などが悪さをして緑色の痰がでるケースが多いです。
慢性塞栓性肺疾患(COPD)
COPDは喫煙が主な原因となって発生する慢性の気管支炎や、進行していき肺気腫となった疾患です。COPDも進行すると気道や肺に炎症が発生することから黄色や緑色の痰が出ることがあります。
- 労作時の呼吸困難
- 咳
- 痰
COPDは呼吸が、ちょっとした運動でも乱れます。階段を少々上ったくらいで息が切れる様な人は注意が必要です。息切れは運動不足の場合もありますが、歳を取ったからとばっかりおもっていたら、実はCOPDだったということもあります。
喫煙は免疫力を常時低下させ、肺の血管を収縮させ小さな炎症を起こし肺を硬くしてしまう作用もあります。COPDになってしまうと、損傷した肺は二度とそれ以上回復することは難しくなってしまうので、可能な限り早期に禁煙することをお薦めします。
風邪でもないのに緑色の痰がよく出て、息切れがする場合は一度医療機関で適切な検査を受けてください。
びまん性汎細気管支炎(びまんせいはんさいきかんしえん)
びまん性汎細気管支炎は、気管支の末端付近に炎症がおこる肺の病気です。主な症状は以下となります。
- 咳
- 濃い痰が沢山でる
- 軽い運動時の息切れ
軽症のうちは黄色い痰が出て、病状が悪化してくると緑色の痰に変わってきます。進行すると、軽い運動でも息が切れることがあります。風邪でもないのに、軽い運動で息が切れる場合は念のため医療機関を受診するようにしてください。
風邪予防には何と言っても免疫力を落とさないことが大事
風邪予防は免疫力の低下を避けることが何と言っても重要なポイントです。あなたは普段の生活で以下の点に当てはまることはありませんか?もし1つでも当てはまるなら風邪を引きやすくなりますので注意が必要です。
- ストレス
- 睡眠不足
- 運動不足
- 偏った食事
- お通じが悪い
- あまり笑わない
上記項目に当てはまる部分がある人は改善が必須です。どうしても仕事上のストレスを低減できない場合などは、たくさん笑う時間を作ったり、しっかり運動をしたりして、他の項目でバランスを取るように心がけましょう。
高齢になってから風邪を引いたり、若くても疲労が溜まって免疫力が下がった時に風邪を引くと、肺炎など命に関わる病気を併発する場合もあります。普段から意識と実際のケアがとても大切になります。
睡眠不足は要注意!ビタミンや良質なタンパク質で栄養を!
あなたの睡眠はここ最近ではどうですか?睡眠不足が慢性化していませんでしたか?睡眠不足は結構疲労を蓄積する可能性があります。最近の研究では睡眠時間は概ね8時間程度はとっていないと人間の体にはよくないことがわかってきています。
そしてビタミンが不足していたりしても風邪をひきやすくなります。普段コーヒーが多くてお茶やフレッシュなフルーツドリンクなどでビタミン類を補給していなかったりしても風邪をひきます。
フルーツや緑茶、あるいはサプリメントでビタミンを補給してください。風邪でも食欲が多少でもあれば、玉子がゆや柔らかく煮た鶏肉などを食べてタンパク質を摂ることで風邪の回復が早まります。
普段から睡眠不足には特に注意してください。思いのほか健康に影響しています。
参考サイト:NHK
夏場はエアコンのカビに注意!
意外に見落としがちなのがエアコンのカビです。エアコのカビが咳の原因になっている可能性もあります。夏場だけの咳や自分の部屋にいるときだけ咳がでたりする場合はエアコンのカビが原因なのかもしれませんよ。
エアコンのフィルターや内部の冷却装置にカビが生えていると、咳の原因になることが実際にあります。特に黒カビなどは肺がんの原因にもなりうるといわれています。小さなお子さんや高齢者にとっては、カビはあなどれません。
あなたの部屋のエアコンはしっかりお掃除をしていますか?エアコンの掃除には冷却のフィンを掃除するクリーナーやスプレーで掃除をする方法もあります。
エアコンの掃除方法
- スプレーで掃除
- 掃除専門業者へ依頼
<エアコンお掃除用スプレー>
スプレーなどはホームセンターで販売されています。ただスプレー掃除の注意点はスプレーを使った後はしっかりとエアコンが乾くまで換気をすることです。スプレーの薬剤は体にはよくありません。
しっかりと説明書きを守りましょう。
<専門業者へ依頼>
エアコンのお掃除の専門業者へ依頼すると確実です。専用の機材でエアコンの冷却フィンをしっかり掃除します。作業は一台あたり1時間程度。金額は業者にもよりますが、一台あたり1万3000円くらいです。
スプレーですとどうしても奥まで綺麗にはなりにくい傾向があるので、専門業者へ依頼したほうが費用はかかりますが確実です。特に抗菌コート処理を有料オプションですが、やってもらうとカビの発生は起きにくくなります。
部屋の匂いがカビ臭かったり、エアコンを付けると匂いが出るような場合は、ここは思い切って専門のお掃除業者さんに依頼するのも良い方法です。何より咳の原因がカビ由来だったら気分的に嫌ですよね。
エアコンのカビはしっかりお掃除をしておきましょう。
まとめ
- 熱はないが咳や喉に痛みがある場合は、風邪の真っ最中か治り始めである。
- 咳や喉の痛みがひどい場合は医療機関で一度診てもらう。
- 家庭では加湿器が咳や喉の痛みには効果的だが衛生面で気をつける。
- 緑色の痰の塊は緑膿菌やウィルスの死骸である。
- 風邪以外でも緑色の痰の塊が出る病気がある。
- 風邪は免疫力を落とさないことが重要。
- エアコンのカビが原因の咳もある。
風邪はインフルエンザと比べて軽く見られがちですが、長引く傾向にあり肺炎などを併発すると命にも直結するので侮れません。特に咳や喉の痛みなどは、長引くととても苦痛もあり厄介なものです。
緑色の痰が出る場合は緑膿菌が増えたということが考えられます。それだけ体が弱っていたかもしれません。睡眠不足やストレスなどが重なっていなかったか確認をして、自分の体をケアするように心がけましょう。
たかが風邪と侮っていると、思わぬ二次的な病気に罹ってしまう場合もあります。風邪は万病の元ともいいます。風邪を引いたということは、これまでの生活に問題があった可能性を示している場合があります。
風邪はあなたの免疫力が下がっている証拠ともいえますので、今後の対策をしっかりとって健康管理に役立てましょう。